【楽譜出版】Canzon primi toni(第一旋法による八声のカンツォン) / Giovanni Gabrieli (ガブリエリ)

表題の楽曲をトランペット・トロンボーン八重奏版と金管八重奏版(Trpx3 , Trbx3 , Hrnx1 , Tubx1)のアレンジをし、ミュージック・ベルズさんより出版いただきました。


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ガブリエリの楽曲はハーモニー作りの基本を身に付けることができます。アンサンブルコンテストは勿論、日々の練習の中でもメニュに加えられては如何でしょうか。テンポやダイナミクスの指定はありませんので皆さんの音楽を作ってください。

この曲を含めガブリエリの八重奏は1980年~90年代にかけてアンサンブルコンテストで大流行していました。今も時々みられますが、邦人作品が風靡していますね。恐らくご存知ない方も多いことでしょう。しかし、時代の波に埋もれさせるのは大変勿体ない素晴らしい楽曲です。まず、ハーモニーが美しい。目を閉じて聴いていると本当に大聖堂の中で祈りをささげているような気持ちになります。ただし、ハーモニーが主体なだけにピッチのズレは致命的(MIDI音源も平均律のため歪がみられます)ですが、音感のトレーニングに最適です。当時のアンサンブルコンテストの全国大会はこの楽曲を選んでいる団体も多数あったため、勝てる楽曲ともいえるでしょう。

今回は原調でアレンジしています。この楽曲を有名にしたフィリップジョーンズ・ブラスアンサンブルも原調で演奏していましたが、どういう訳か、日本では2度下低い調が主流でした。Youtubeで色々な演奏を聴いていたら4度低いアレンジもありました。

この楽曲はトランペット2名が他のパートに比べて極端に難しく、トランペットのツインソロに他のパートがハーモニーを付けていくイメージです。原調ですと最高音は上のA。キツイから日本では2度下のアレンジが流行ったのかもしれません。しかし、原調の方が明るさ、華やかさを感じられるので、是非、こちらにチャレンジしてもらいたいものです。逆に4度低いアレンジはトランペットの最奥音はEですので中級者の方もチャレンジができそうです。

※もし原調以外のアレンジのご希望がありましたらコメント欄にご希望ください。アレンジしミュージック・ベルズさんに出版を依頼いたします。

【参考音源】

◆原調:トランペット・トロンボーン八重奏版(私がアレンジしたMIDI音源)


◆原調:金管八重奏版(私がアレンジしたMIDI音源)

この編成で聴く機会は殆どありませんでしたが、音域の幅が広がり非常にダイナミックなゴージャスなサウンドが期待できます。


◆原調:フィリップジョーンズ・ブラスアンサンブル

トランペットx2+トランペットx2 + 弦楽器の組み合わせです。このような編成も面白いですね。オーケストラのメンバーでやってみようかな。


◆2度低い版:光ヶ丘女子高校  第40回全日本アンサンブルコンテスト出場曲

この演奏は言葉に現わせないくらい素晴らしい。ハーモニー・バランスの一体感はさることながら、その余裕のある柔らかい音色、響き!しかも8人全員!!これほど上手な高校生の金管アンサンブルは聴いたことがない。指向は違うけれど数々のプロの演奏にも引けをとらない最高の演奏だと思います。必聴です。


◆4度低い版:東京佼成ウィンドオーケストラ 本間氏による演奏

東京佼成の本間さん、コロナで時間があったのか、2020年に一人で多重録音して様々なアンサンブルをご自身のYouTubeにアップされていてトランペット吹きとしては大変勉強させていただいています。その中に含まれていました。こちらも柔らかな素晴らしい音色!









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